[インタビュー]みのり市

農家さんから買える野菜の直売所

八日町商店街の端の海へ向かうカーブの手前に「直売所 みのり市」があります。
宮城県や気仙沼市の事業を活用して中心市街地である八日町にあった空き店舗を改修し、平成13年3月27日に現在の農産物直売所を開店したそうです。
この直売所は複数の農家さんが集まり、共同でお店を運営しています。車に乗っているとよく「道の駅」というものを見かけますが、それのすごく小さな規模の産直市場。と言えば分かりやすいかも。
そしてみのり市さんは組合ではなく任意団体という形態でそれぞれの農家さんがとてもフラットな関係でお店に関わっています。
「店番は農家さんが当番制でやっているんです。農家さんが直にお客さんと接することでコミュニケーションが生まれますね。」

スーパーで買っても八百屋さんで買っても売っている人はそこのお店の人ですから、こういった直接運営の野菜直売所は珍しいのではないでしょうか?
農家さんから直接野菜を買えるなんて、よく考えるとなかなか無い素敵な体験です。
インタビューに答えてくれたのは、代表の吉田幸敏さん、お店のツイッターの更新や連絡係を担っている児島健次さん。途中から店長の鈴木律子さんにも加わっていただきました。

寄りそえるようなお店を目指してます

開店当初は野菜のみの販売だったそうですが、町の課題である「少子高齢化・ 単身世帯の増加」を背景に、お惣菜や飲み物も販売することになったそうです。
吉田さん「惣菜とかお弁当を作る人は製造販売の資格もとったんだよ。」
鈴木さん「向かいの八日町災害公営住宅(八日町236)の建設会社の現場監督さんはいつもお弁当買いに来てくれてたよ。お店が忙しい時はお弁当は午前中に売り切れちゃうこともある。」
みのり市でお話を伺っている間もお客さんが何人かいらっしゃったのですが、どの方も少しの時間お店の人と会話を交わしていました。おもにどんな方がいらっしゃるのか聞いてみたところ「やはり常連さんは八日町のマダムたちかな!」とのこと。
八日町という場所にしっかり根をはっているのだな、ということが実感できます。

実は八日町236の上棟イベントの時にも、みのり市さんに紅白餅をお願いしたのでした。
とても急なスケジュールにも関わらず、快く引き受けていただいてすごく助かりました…

震災の時のこと

みのり市さんに所属する農家さんたちはみなさん山の方で生活されているので、津波の被害はなかったそうです。
吉田さん「3月17日にはお店にみんなで集まって泥かきや瓦礫をどけたりしましたね。農機具を持ってきてたので、復旧は早かった。」
鈴木さん「3月22日から住人の人たちや市役所で働く人たちに向けてお店で炊き出しをしていました。ツルハドラッグの駐車場で販売もした。その時は全国から支援者の人も来ていてたくさんの出店がありました。」
児島さん「震災からしばらく経ってからも、鹿折仮設住宅には出張販売に行ってましたね。軽トラに食材を乗せて行ってたんです。仮設住宅に住んでいた人はバスに乗ってスーパーに行ったりしていたから、そこで買えなかったものや切らしてしまったものを出張販売で補う、といった感じで。」

震災直後の町へすぐに駆けつけお店を拠点にして、被災した方々の応援をされていたというエピソードを聞くことができました。
「貢献する、というのとは少し違くて、あの状況で自分たちのできることをした、という感覚。」

直接販売することのメリット

児島さんは、みのり市の事務だけではなくマイヤというスーパーの中にある「お日さま市」という産直コーナーの運営にも関わっています。最近は南町から新町に移転することになった「藍工房OCEAN BLUE」という藍染めのお店と連携し藍染めの原料を作る事業の準備をしたり、体験農園や市民農園など農業と人の生活を近づけるプロジェクトも進めていて、かなり精力的に動かれています。
みのり市では一番の若手で、このような方が気仙沼をベースに動いているのは非常に心強い!

最近は、白菜の値段が高騰したり、そもそも売ってない、なんてことをよく聞きました。そのことを児島さんに話すと、

「小売り価格変動というのは、畑からの出荷量と市場への入荷量を見て市場価格が決まり、それを仕入れるスーパーマーケットなどの小売業の判断で起きるんです。
『今、天候不順の影響で葉物野菜が市場に入荷される量が減って値上がりしている』となれば、スーパーマーケットはあまり値を下げなくなる。その結果として野菜高騰となる。
そういうことで言えば、みのり市は地元で収穫されたものを農家が決めた価格で売るだけなので、突然値段が上がったりということはないです。ただ、収穫するものを採りつくせば、それで完売御免で次のシーズンまで物は出てきません。みのり市は季節季節の品物が手に入るけど、逆を言えば季節はずれなものは売ってすらないんです。
そういう意味ではご不便を強いているとも言えますが、季節を感じさせる鮮度のいい地元産の野菜を、地元の奥さんたちが気軽に買いに来れる今の空気を大切にしたいと思います。」

「農家さんが手塩かけて作ったものを自らお客さんに販売する」農家さんの本来の営みが、このみのり市で実現されているのですね。
みのり市は、作る人と買う人の距離がとても近い。作る人同士も連携して種類をうまく配分しながら野菜を配架する。この販売モデル、実は昔の手法をアレンジして今の時代に適合させた最先端のスタイルなんじゃないか??と思うことがあります。
行ったことのない方は一度足を運んでみてください。
野菜の他にもジュースやデザート、お惣菜も置いてあります。自炊しない方も是非!(笑)


商店名 みのり市
業種 直産野菜・お惣菜の販売
代表 吉田幸敏さん
営業時間 9:30-13:30(火〜金曜日の営業)
住所 気仙沼市八日町1-4-3
電話番号 0026-22-2700
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